小児歯科

残念ながら、歯科に来院するときの子供たちは多くが不安いっぱいです。
はじめての歯科医院なのか、以前歯の治療で嫌な思いをしたのか…。
小さな時の経験は、強く残ります。

歯科医院でのマイナスの経験が、歯科医院に行きたくない大人を作っているのではないか、と考え、
私達は緊急の場合をのぞいて、歯科医院の環境（治療のイス、器具、音）に慣れてもらえるようにきちんと説明します。
多少時間はかかりますが、本人はもちろんご両親の肉体的、精神的ストレスは軽減されます。（私達もですが。）

もちろん、痛み・腫れがひどい時や通院できないから早く終わらせて欲しいなどのご希望があれば、押さえつけての治療もいたします。
その際は、お子さんの心に傷が残らないよう、細心の注意はしていますが、ご家族の協力も必要です。

良い習慣は早いうちに…

小さい頃に身につけた習慣は一生続く、と言われます。
子供達には、 “元気な大人に成長するために、早い時期に正しい習慣を！” と思います。

乳歯が虫歯でもはえかわるから、とか思っていませんか？
乳歯は噛むこと以外に、永久歯がはえるスペースを維持してくれるという大切な働きもしているのです。スゴイ！
また、せっかく虫歯のない状態で成長しても、ご両親の手（目）から離れる時期に
（小学生の高学年くらいから自分で塾や習い事に行くようになると）急に虫歯になる子もいます。
ご両親が丁寧に磨いてあげているうちはいいのですが…。
そうならないためにも、 “自分の歯は自分で守る。健康な歯は宝物！”という意識から、
お菓子の選び方や歯ブラシの方法までお伝えしたいと思っています。

「歯にいい食事は体にもいい食事」です。
甘いものの食べ過ぎは虫歯に悪いだけでなく、小児糖尿病や肥満の原因にもなります。
野菜をたくさん食べることは、歯にもいいし、成長期にかかせない栄養をとることができます。
歯や口だけでなく体を含めて、地域の子供たちが健康に育ってくれたらいいな、と思います。
虫歯があるから…の前に、定期的に歯科医院へ通院する事をお勧めします。

お子さんの治療前に読んでいただきたい事…

★嘘をついて連れて来ないで下さい。（スーパーにお買い物に行くよ、とか）
小さなお子さんでも、簡単な言葉で「歯きれいにしてもらおうね」など、
これから行く所で口の中を触られるという認識をしてもらっておくと、上手に治療椅子に座ることができます。

★何か悪いこと（？）をした時の“脅し文句”に歯医者を使わないで下さい。
（そんなことしたら歯医者に連れて行くよ、チックンしてもらうよ、など）
一生歯医者にかからずに、健康な歯を維持できればそれが一番かもしれませんが、転んだりぶつかったり、
事故で歯が割れたり欠けたり抜けたりする可能性もあります。
歯医者が身近であればある程、緊急の時でさえ、泣きながらも協力してくれます。
ぜひ、かかりつけの歯科へ定期的に受診しましょう。

★ご褒美は甘いもの以外で。
（最近は減りましたが）「後でアイス買ってあげるから」と言う保護者の方がいらっしゃいました。
甘いものでなくても、できればご褒美は“物”じゃない方がいいと思っています。
（物をもらう事が目的になってしまうことがあるからです。目的は、元気な歯で元気に育つ事なので。）
上手にできた時は、最大級の笑顔とほめ言葉をあげて下さいね。